ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
゜∴。°。∵。゜。∴。
ずっと、背中を向けていた君が…
不意に、振り返った。
隣りに……彼女がいるのに。
こっちを向いて…
何か言っている。
「………?なにー?」
私の声は…君に届いているのに。
君の声は…届かない。
ただ、笑って…
口をパクパクとさせて。
当ててみろよっていうみたいに…
真っ直ぐに、挑むような…瞳。
『あ』
「……『あ』?」
『ほー』
「『ほー』?……なにソレ…、ひどい。」
君は、コクコク頷いて。
言葉を…続ける。
『ば』
「……『ば』?……あ、わかった、バカって言うんでしょう?」
君は…
頭上に大きな丸を作って、
ニヤリと…笑う。
だけど……、最後の言葉は。
いくら必死に口を読もうが…
なんて言ってるのか、ちっとも…わからなかった。
君は1つ笑顔を残して…
また、背中を向ける。
グラウンドを駆けるその、背中を…
私は今日も…見つめていた。
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