ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。


近くの食堂で、寒鱈定食に…舌づつみしながら。



味噌汁を…飲み干す。



はたから見れば、どんだけオッサン臭く見えることだろう…。



……が、


今さら気になどしない。



まだピチピチの(あ、これはもう死語か?)…高校時代から、




そういうキャラが…確立していたから。




ようやく、その実年齢に…追い付いたってトコだろう。





昼のワイドショーを、ぼうっと眺めながら…





最後のご飯を、口に入れる。





……と、



日曜の…真っ昼間。


珍しく、音楽を奏でる…携帯。





恐らく、後輩からの催促メールだと思って。




何てことなく…



画面に、目を通す。










「………ん?」




そこに刻まれているのは……。



最近、ポツポツと連絡をよこすようになった…友人の名前。







「……明日は早番だし、飲みは無理だっつーの。」




この友人が連絡をよこすのは…唐突も唐突で。




相手の都合は…お構い無し。



自由すぎんだろ、って思うけど…



相手してやる俺もまた、ただのお人好しだ。









だけど、

それは…


飲みの誘いではなかった。










『高校の同窓会をしませんか?』











「………は?」





それは、いつか俺が…



胸をドキドキさせながら送ったメールと。



全く同じ…文面だった。









「……そっか…、またするって、約束してたな……。」






返事を待つ側の気持ちは、よーくわかるから。



どう焦らしてやろうかと…思ったけど。




それよりも、




彼女の笑顔が…脳裏をちらついて。




考えるよりも先に、指が…動いていた。









本来の俺とは、こういうキャラだ……。









『する!!いつする?やっぱり夏?』














オッサンになりきれない…オッサンなのだ。











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