ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。



虫の居所が悪かった。



だって、そうだろう?



以前の俺らがそうだったように、ヤツと君とは…


何度か会っているのだろうから。








「………。………近くに…いるもんな…。」





隣り同士の …職場。


誰よりも…近い距離。



俺を誘うようにして、彼女を誘い出すことは…奴であれば、容易いことかもしれない。







「………はあ~……。」


大きく溜め息をついて。



ビリっと…封筒の口を開ける。



















「…………は?」












入っていたのは、一枚の…招待状。








「…………。………披露宴って……。……え?……ええ?!」




酒が入っているせいか…、思考がついては来ない。




訳もわからず、何度も何度も…読み返す。









期日は…


夏。


同窓会も……、夏。

幹事は、自分でするって…言っていた。






「……はは、なんだよ、新郎って。……つか、何の…冗談?」







いやいや、


イタズラ好きな俺らの仲だ…。



きっと何処かに、種明かしがあるはず。








そんな願いも…虚しく。


裏返しても、ひっくり返しても。

何も…ありなどしない。






半信半疑、


疑心暗鬼…。





「………。………これは…、夢だ!」




可愛らしい招待状を…パタリ、と裏返して。








俺は…




ベッドに入った。






よくあることだ…。酔って記憶を無くすことも、現実と夢の境目がつかなくなることも…。






……そう、信じて。





堅く…目を閉ざした。












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