ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
ガバッと布団から…飛び起きて。
俺は…、辺りを見渡す。
「………夢…。」
………に、しては…。
随分とリアルだった。
とても、胸くそ悪い夢だったきがするけど……。
既に…残像は消え去り、
やりきれない思いだけが…残っていた。
掛け布団を、ぎゅううっと握り締めている…自分がいた。
「…………あ……。」
嫌なものが…
目に入った。
俺は…のそのそと布団から這い出し、部屋の中央に置かれたガラステーブルへと。そっと…手を伸ばした。
裏返しになっているソレを……
摘まむように…持ち上げて。
わざわざ下から覗き込むようにして…
見てやった。
「……夢じゃ…、ねーのかよ…。」
順調だった日々が。
ずっと、着実に歩んできた道が。
ガタガタと…音を立てて、崩れていくようだった。
後を絶たれた俺に…、
選択肢はひとつしかないと…知っている。
いつかは…、そんな日が来るんじゃないかって…何処かで覚悟はしてたんだ。
だけど、可笑しいとは…思わないか?
君を見つけたのも、
…気持ちを伝えたのも。
こっちの方が…先だったのに。
丁度一年前に、二人を引き合わせたのも……
俺だっていうのに。
何が…どうなってんだ。
寝耳に水なんだよ。
「……バカヤロー……。」
彼女の気持ちは……
ヤツによって。
奪われて…いったんだ。