ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
゜·∴。°·∵。゜·∴。
「もしもし~、早瀬?ごめん、ウチら多分近くまで来てるんだけど…、この道で合ってるのか全っ然わかんない!なんか…目印ないの?」
自転車を漕いで…、足を止める度に、じとじとした蒸し暑さが襲ってきていた。
多分あれは…
夏。
私はみっちゃんと二人。
照り付ける太陽…、
目の前から消える…もやもやとした不思議な物体。……逃げ水。
初めて通る…道。
『目印になるもの?ああ…、あるある!看板!』
電話の相手は……
早瀬。
「看板?なんの?」
『くまの医院。』
「病院の看板?」
『うん。熊なのにパンダになってる。』
「え、なにそれ?」
『見ればわかるって、絶対パンダだから。』
「………?んー…わかった、探すよ。見つけたら、そこからはどう行ったらいい?」
『まーっすぐ走って、多分1Kmしないくらいにある…青い屋根。コバルトっぽくて目立つから…すぐわかるよ。』