ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
同級生が揃うと、自然と思い出話になるもんなんだよ。
ようやく腰を落ち着かせた紗羽ちゃんも交えながら…
話に花を咲かせていたけれど。
何やら、そこら辺から…雲行きが、怪しくなってきた。
彼女の顔が、徐々に…強ばってきたんだよなあ…?
いつもなら、おどけて話に乗って来る紗羽ちゃんが、ヤツに念を送るようにして、じっと…黙りこんでいるんだ。
「ん?…二人とも、喧嘩でもしてる?」
皆の視線が。
一斉に俺の方へと…向けられた。
「別にー?」
しれっとした顔して。
でも、なぜか口の端っこをあげる…早瀬と。
「え。そうなん?」
どこまでも呑気な…しんちゃんと。
「…………。」
どう切り返そうか、恐らく困惑している…紗羽ちゃんと。
うん……、人間の基本的な性質ってものは、何年経っても…変わらないらしい。
もちろん、俺も含めて。
「紗羽ちゃん、トイレ借りていいー?」
投下した後は、一先ず逃げてみるのが…一番。
傍観者として、少し離れた方が…自ずと見えてくるものがあるからね。
まあ、そんなワケで。
取り敢えずしんちゃん、暫くフォローを頼むよ。