ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。



゜·∴。°·∵。゜·∴。



受験生になって、迎えた…夏。


窓の外を見つめる、紗羽の視線の先には―…



早瀬映志。


夏期講習…、勉強に明け暮れているハズの…ある、1日。



息抜きなのか、なんなのか。


その正体に…


彼女が気づいているかは、定かではない。




だけど、


どんなに…遠くにいても。



背番号10を…


見つけてしまうのだ。







あの日。


早瀬くんの家に…行った日。



二人の間には…何かあったのだろうか。









「………。ブルー、かわいかったね。」





「……うん。」


「ねえ、紗羽。あの時さー……。」


「……ん?」





詮索したところで…どうにかなる訳じゃあない。


余計な気を回したって、それが…紗羽にとってもいいことなのかは…分からない。






「………。いや、やっぱ何でもない。」


「………?」



私は、口を…閉ざした。




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