ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
幼稚園の先生方は、矢代先生をギロリと睨んで……
「紗羽先生、お茶引っ込めていーからね。」
…と…、冗談まじりでツッコミを入れる。
高校の先生方とは…、どうやら、親しい仲らしい。
「………。そういやお前も……」
…と言いかけて、矢代先生は言葉を止めた。
「………?なんですか?」
「いや、何でもない。それより…いつすんの?」
「みんな帰って来れる時ってお盆くらいしかないので……、14日の夜に。」
「………おま…、俺の実家、こっちじゃねーんだよ。お盆は厳しいなあ。」
「…………。えっと……、エ?」
「だから、14は厳しいって。そーだ、案内はいつ?早めに出せっつーの。」
「……………。す、スミマセン…明日にでも早々に。」
「……ヨシ、わかった。因みに返事はいつまで?」
「………。できれば今週中に。」
「……………。」
先生方は…くすくすと笑って、こっちを見ていた。
「……お前ら……」
「は、はい!」
「どうにも惚けたメンバーが幹事だとは思ったけれど………。」
「………………」
「俺の存在、忘れてたな…?」
ば……、
バレたか………!
「仕方ねーなぁ、仕切るタイプではなかったから、気回しは期待してはないけど……。誘えや。」
「……スミマセンでした。」
「いいって。お前に謝られんのってアレだな。教科書ボイコット事件以来。」
「………!覚えてるんですね。」
「まあな。今やアレでさえ体罰になっちまうんだから、やりづらくてわかんねーよ。馬鹿だよな、お前も。早瀬につられやがって。」
……早瀬……。
「……ところでお前。結婚は?」
「まだです。…って、何ですか突然。」
「大事なことだろ~?教え子が行き遅れるのとか気の毒だし…、それに、同じ学園の仲間になったよしみだ。いい人紹介するか?高校にも若い衆沢山いるし……」
「結構です。……それより、明日案内状持っていくので…何時くらいなら先生お手すきですか?」
「……4時以降なら…4階職員室にいるから。ちゃんと届けに来いよ?」
「……はい。」