ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
お風呂に入って。
部屋に戻ってきた私は…
いよいよベッドへと…横になる。
「……ふぅい~。ぐうたらサイコー……。」
ベッドの脇のガラステーブルには…
きんきんに冷えた、缶ビール。
「いっただきま~す!」
大人になって、お酒を飲めるようになって。
こうして…晩酌するのが、私の…唯一の楽しみ。
だけど、
東京暮らしとは違って、明日の朝には車の運転を控えているから…
ひと缶だけ。
「……。……旨いっ!」
窓からは…そよそよ風が吹いて。
カーテンと、
それから…濡れたままの私の髪の毛を…揺する。
鼻先を掠める…澄んだ空気。
ビールの美味しさを…引き立たせる。
「………。これで一人じゃなかったらなあ…。」
鳴らないガラケーの画面を見つめて、ふぅ~っと息を吐く。
遠恋になって……、
彼氏とのメールの頻度は減った。
元々頻繁にしていた訳ではないけど、
離れて顔を見れない分…
増えるものかと思っていた。
「……………。」
離れたら、自分の時間が…自由な時間が増えた。
相手を思いやるより、自分を癒すのが優先されているのか……、
この不思議な現象に…
少しだけ、違和感を覚えていたけれど。
私はまた…携帯を閉じる。
安定していた関係。
必然的に、ちらついていた…、『結婚』の二文字。
互いに確認し合った訳ではないけれど……
ありつく場所は、ゴールは、そこにあるかと思っていた。
漠然と……、ただ、何となく…。