ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。






写真を取り出して……、



早速、一枚一枚を…見ていこうとするが。






滑り出しで。


いきなり、8組名物の寝顔の…登場!!




「……。ひどい……、しんちゃんひどいね、コレ。」



先生へのメッセージがまた…、


酷い。



『眠気防止に使って下さい』










「……なにこの…恒生さん!」



「ナニッて…見たまんまだけど。」



一方の恒生さんは。


グラウンドの真ん中で…
空を見上げて、黄昏れている写真。




「……自分ばっかいいのにしたの?」



「違うって。これは、話をしている所を撮られたんだ。」



「………。誰と…?」




「……誰って……。………………」


ちーん…と、恒生さんの携帯が鳴って。


彼は天に向けて…合掌する。





先生へのメッセージは…。


『安らかな日々を…。』




…うん、


これ以上は…聞かないでおこう。










それにしても。



これって全部……



あの人が撮ったのかな。









目の前で見てきたクラスメイト達の……


リアルな姿。





先生が手紙に書いているように…、ありのままのその姿が………



写し出されていた。







「……。早瀬からしたら、こーゆー風に…見えてたんだろうなあ……。」




派手目の女子が化粧している写真。鼻の下が…よく伸びている。
(よく許可したな)




献血損した強くんの、マラソン後の…酸欠顔。
(追い撃ちか?)





みっちゃんに限っては、プリンを口に運んで貰っている……至福の瞬間。




『先生と私はメタボで繋がっています』






写真をめくる度に、大爆笑の嵐が…吹き荒れる。







「次ー、最後の1枚っ。」



「え。もう?!」




……てか、もう…アノ写真しかないじゃん。




早瀬から見た私って…、つまりは…、どんなの?






ゆっくりと……



写真をめくる。









「……あれ?」




それは……、





私の写真では…なかった。





遠景で撮られた教室の中……。



沢山の生徒達が写っていて、誰をターゲットに撮ったのかは、一見…わからないけれど。





「……コレ、唯一俺が撮ったヤツ。写真は嘘を…つきません。」





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