ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
懐かしい顔ぶれ、
懐かしい声……。
まるで昔に戻ったみたいに。
談笑し合う…仲間達。
初めての……
同窓会。
「本日はお忙しい中、沢山の方にご参会いただき、ありがとうございます。……とか言って、堅苦しいのは苦手なので…、今回同窓会の発起人であります、幹事長の浅沼くんよりまずはひと言ご挨拶を頂戴して、乾杯へと移りたいと思います!では、浅沼くん、お願いします!」
指名を受けたしんちゃんは、徐に立ち上がろうとするけれど……。
「足…痺れた。」
テーブルに手をついて、片足を浮かせたまま…フラフラしていた。
早速…、笑いをとってしまった。
「笑わせないでよ~、もう。」
私は彼の腕を掴んで、身体を起こすと。
そのまま隣り立って、支えになる。
「おしどり夫婦~!」と野次が入るのを、
「まあね~。」と、しんちゃんは軽~く返してやった。
「……えっと…、今日は本当に…ありがとうございます。今の足の痺れで挨拶全部ぶっ飛んだので…悪いけど、少し適当です。どーぞ聞き流して下さい。……さて、この同窓会を思いたったのは…4月のことで、思い立ったら即行動の僕のせっかちな性格にお付き合い頂いた、3人の有志にまずは感謝したいと思います。恒生くん、紗羽さん、美那子さん、……ありがとう。それから、今日は残念ながら、都合により参加できなかった恩師の矢代正義先生より…御志を頂戴していますことをここにご報告致します。…え~と…、10年って、早いようで短くて…さっきみんなに再会した時には、みんな大人っぽくなってて、特に女子の皆さんの変貌には驚かされました。女は…恐ろしいですね。僕は正直緊張していたんだけど…なのに、まるで昨日会ってたみたいなノリで来てくれたから、拍子抜けしました。ビシッといく方が恥ずかしくなる思いです。てか、ビシッとはできないのが僕のもち味なので…、早く歓談に移ってとことんしゃべり倒したいです。………こんくらいでいいっスか?皆さん、大いに話に花を咲かせ、ざっくばらんに楽しんで下さい!では、乾杯の音頭を…恒生くん、お願いします!」