ナンパ男との恋〜総集編〜
「そっ、俺が原因。
俺が あんなふうに言ったから。
あいつ 元々心療内科にかかってたってダチに聞いてたから 
亮に頼んで ちょくちょく見に行ってもらってたんだけどな・・・
もう大丈夫だろうって事で行かなくなった途端 家中の薬全部飲んだんだってよ」

「家中の薬?」

「あぁ、俺が サキに散々言って すぐ・・・
まぁ・・・発見が早くて大事にはならなかったみたいだけどな・・
サキが亮に 俺に言うなって、言ったら 今度こそ・・・的な事を言って口止めされてたみてぇだけど・・・
亮に聞かなくても 他から入ってくる情報だしな・・
んで、この前・・・
撮影で数日 家空けた日あったろ?
あん時 その事件以来 初めてサキから電話きたってわけ。
しかも 男に振られたとかで泣きじゃくって・・・」


サキさんの移り香をつけて
輝樹が帰ってきた時だ・・・

・・・やっぱり、不安は的中だった。


こんな事聞いたら・・・

もう何も言えないじゃん。

直接対決なんて できるはずないじゃん・・・


「へぇ・・そんじゃ
彼氏さんは これから ずっと
そのサキさんって人の お守りしないといけないんですね。
春菜さんとは別れた方がいいんじゃないですか?」


「何で てめぇに んな事言われねぇといけねんだよ?」


「普通に考えて これから先も ずっとその人の影に怯えるのは 春菜さんじゃないんですか?
そんなふうに 腫れ物に触るみたいに彼女以外の女ばっか優先して
本気で かっこわりぃスよ?」


「んだとォ?」


掴みかかろうとする輝樹を
必死で押さえながら

「帰ろ?ね、輝樹
ジュンさん、ありがとう。
迷惑かけちゃって ごめんね・・」

そう言いながら荷物を取り
輝樹の手を引っ張りながら
外に連れ出した。



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