ナンパ男との恋〜総集編〜

「あー、俺。
寝てるとこ　わりぃんだけど
ちょっと来てくれねぇ？
あぁ、家。そう、今すぐ。はいはい」


ため息をつきながら
携帯を布団の上に投げると


「何で・・・
俺に　直接言わねぇで
んな回りくどく
キスマークなんかつけてんだよ・・」

何で・・・・何で

何か言おうと
するけれど・・・


理由が、分からない。

何で　私は
去川さんに襲われた時
輝樹に言わなかったんだろう。

信じてもらえないかもしれないから？

ううん、輝樹は
そんな事・・・・


「仕返しのつもりか？」


仕返し？仕返し・・・

そんなつもりもない。

・・・けど、


あぁ、そっか・・・


追い詰められて
ようやく自分が
こんな事態に陥ってるのか理解できた気がする。


「輝樹に・・・・
気づいてほしかったのかもしれない・・」


そう、私は・・・・
信用してもらえないとか、サキさんとの事に対してのあてつけとか
そんなんじゃなくて・・・

私は　ただ、
輝樹が私の事を　ちゃんと見てるのか試したかったのかもしれない。