ナンパ男との恋〜総集編〜
「謝ってすむもんじゃないけど
俺 もう ぐちゃぐちゃだったんだ。
いろんな事考えすぎて
バカになってたっていうか・・」


見たことのない去川さんの気弱な姿だった。



「で、でも
男も女も 好きな人の前じゃ
みんなバカになっちゃうから・・
周り見えないし、
私だって いつもバカだし・・
その、去川さんは
悪くないです!」


自分で言ってて
意味分からないけど
気弱な去川さんを見るのは
ちょっと つらかった・・・。


「ぷっ!はは何だよ、それ
自分 被害者なのに 何で俺の事庇ってるわけ?はは
マジ あんた 変なやつ・・・はは・・」

そう言いながら
目頭を押さえ
そこから涙がこぼれた。



・・・・・・・・・・・



こういう時、どうしたらいいのかなんて分かるはずない。


女友達なら抱きしめて
一緒に泣くって事ができるけれど・・・

必死で ない知識を振り絞り
私が考え出した結論。


「なに・・?」


腕を差し出すこと・・・。

「あの、ハンカチも何も持ってないから
私の袖口で・・・でも拭いて下されば・・・はい」


「袖口で 鼻水拭いていいの?」

「鼻水・・・」


それは 小学生とかに真冬のトレーナーにあるような・・・

って思わず想像してしまったけれど・・・


「ど、どうぞ!」


「ははは、冗談だって、
あんた 変!変だよ。ははは
さすがに俺も
人の袖口じゃ拭かないし。
っていうか ティッシュ持ってるし?」


そう言いながら
バッグからポケットティッシュを取り出して見せた。


「あ・・・そ、そうですか・・」


私ってば 何をしてるんだ・・・。




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