ナンパ男との恋〜総集編〜
車の方に向かう輝樹の手を引くように 途中立ち止まると


「あ、の・・・
わがまま・・言ってもいい?」


意を決して
顔を上げ 輝樹の方を見つめた。


「あ?あぁ・・・
まぁ・・聞ける事なら・・な。
で、わがままって?」


「このまま・・・
歩いて行けたら・・・と・・」


「は?歩いてって・・・
俺は別 構わねぇけど・・・
春菜、しんどいだろ?」


「だ、大丈夫!
ほら、元気だし」


「・・・あー、
じゃあ、しんどくなったら
すぐ言えよ?」


「うん!」


たぶん、いつもの私だったら
こんな事 言わないけど・・・


何か、今日は・・・


この、せっかく繋いだ手を
離したくなくて・・・


数分の道のりだけど

こうして輝樹と肩を並べて
手を繋いで歩くって事が

大事に思えた。




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