ナンパ男との恋〜総集編〜
夕方6時半過ぎ
ようやく あと2人の患者さんが終わると
帰れる。


なんて思っていたら


「すいませーん、奥歯が
死にそうなくらい痛くて
看てもらえませんか??」


涙声で スーツ姿の若い女性が
駆け込んできた。


そんな泣きそうな顔してる人に

無理です。

なんて言えるほど薄情な所ではないのは よく知っている・・・・


「あら、大変。どうぞどうぞ」


さすが さおりさんだ・・・

こういう時は つくづく
これでこそ 大人なんだ・・・・と
思う瞬間ではある。



「残業ですかー?」


聞き慣れた声に
顔を上げると


「輝樹!?」


「おー、まだ終わらんの?」


「あと少し・・・」


「ふぅん・・・・
じゃあ ここで待っとく」


そう言うと
待合室の椅子に腰を下ろした。

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