ナンパ男との恋〜総集編〜
美香からもらった
ストラップを手に
急いで外に出ると
ちょうど目の前に
輝樹の車が停まった。

車に乗り込んだ瞬間
輝樹の匂いが
この前の出来事を思い出させ
不安と恥ずかしさで
顔が見れず
ストラップを渡すどころじゃない・・・


「春菜?どうした?」

「ん?どうもしないよ」

「ならいいけど・・・・
どっか行きたい所は?」

「特には・・・」

「なら、健二の家でも行くか」

そう言うと
途中のコンビニに停まった。

「ほら、降りるぞ」

「あ、うん」

車を降りると
手を差し出され
私の手を掴むように握りしめると
店の中へと入る。

明るい店内での
輝樹の整った顔は
女性客の視線を感じる。
本人は慣れてるせいか
気にも留めない様子に
改めて 輝樹にとって
女には困らない生活が当たり前なんだと
思い知らされる。

いろいろな物を適当に買い込み
いとこくんの家へ車を走らせていく。

輝樹といとこくんの家に行くなんて初めてだ。

もしかして
2人きりになりたくないから?

嫌な方向へと考えてしまう私は 本当
どれだけマイナス思考なんだろう。



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