ナンパ男との恋〜総集編〜
それから また
いろんな所を歩き、
家に帰ったのは
夜の8時過ぎだった。

久しぶりに こんなに歩いたせいか 足が重い・・・・
たぶん 明日は筋肉痛だろう・・・

ホッとする間もなく
輝樹が 私の背後に回り
買ったネックレスを取り出すと
つけはじめた。

「あ、ありがとう・・・」

こんな高価な物もらっといて 今更 ありがとうを言った自分が かなり情けない・・・
もらった時言うべきだったのに・・・

「ん、あぁ。
まぁ、俺の為に買ったようなもんなんだけどな」

「・・・?」

「これなら 男も寄ってこねぇだろ?」

「こんな事しなくても寄ってこないよ・・・」

「数メートル離れた隙に ナンパされてんのにか?」

「それは・・・・輝樹の後輩だったわけでしょ・・・」

「たまたまな?だいたい 春菜は危機感が足りねぇんだって!」

やばい・・・
このままじゃ せっかくの幸せな雰囲気が 輝樹の説教になってしまう・・・

「・・っ、私は輝樹だけだもん」

「あぁ、知ってる。」

分かりきってるだろ、みたいな顔で
私の顔を覗き込み
意地悪な微笑みを浮かべながら
私が目をそらすのを待っている。

そんな、

いつも思い通りなんてならないんだから。

なんて変な意地で
ひたすら 目をそらさないようにするけれど・・・
薄い茶色の瞳に引き込まれそうになる。

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