ナンパ男との恋〜総集編〜
うつむいて待っていると
目の前に 人が立っている。
顔を上げた瞬間、顔を上げて目を合わしてしまった自分を すぐに後悔した。

「お姉さん、飲み過ぎたの?
俺、送って行こうか?」

ニヤニヤして
明らかに下心丸出しの男・・・

「いえ、平気です。
はい、あの・・・
人待ってるだけなので・・」

「そんな事言って~
ほら、俺 送って行ってあげるよ。
車あっちあるからさ?」

「え?ちょ・・痛いっ・・てば」

強引に引っ張れていきそうになった時、
声が大きかったのか
輝樹の傍にいた女性が振り向き
輝樹も ようやく私の存在に気づいた。

目が合ったと同時に
輝樹の表情が変わり
傍にいた女性を押しのけ
私の方へと歩いてくる。

「おい、お前 誰?」

「は?あ・・・いえ、
何も・・それじゃ・・」

そそくさと
私の前からいなくなった
下心丸出しのお兄さんは
やっぱり、下心しかなかったようで
逃げるようにいなくなった。

「お前 いつからいんの?」

お前呼ばわりって事は
結構・・機嫌悪いかも・・・

「さっき・・・」

「何で こんな所で
ナンパ待ちしてんの?」

「へ?ナンパ待ち!?」

タイミングが悪すぎたんだ・・・
正直に、ここは言っておいた方がいいかもしれない・・・


< 527 / 1,390 >

この作品をシェア

pagetop