ナンパ男との恋〜総集編〜

「なーに、その
残念そうな顔は！
そんなに見たかった？」

「残念そうな顔なんて
してないし」

そう言いながら
からあげを口に詰め込んだ。

「ぷっ、はははは
そんなフグみたいなほっぺしてちゃ
男も寄ってこないよー？」

「む・・・むごご・・」

一気に詰めすぎて
言葉が出てこない・・・
思いっきり
必死で飲み込み
涙目になりながら

「男なんて
寄ってこなくてもいいもん」

「春菜ちゃんには
久保しか興味ないしねー？」

「そんなこと・・・
あるけど・・・」

「はい、正直でよろしい。
分かった。
じゃ、変装して
ちょっと近づいたら？」

「変装・・・？」

「ちょっと待ってて。」

立ち上がり
向かい側に座ってる女の人の方に行くと
私の方向を指差して
その女の人が私の元へと来た。

「亮、この子でしょ？」

「あぁ、頼むよ」

「分かった、いいよ。
その代わり
明日　ちゃんと
付き合ってよ？」

「はいはい。
つー事で
春菜ちゃん、こいつが
変装させてくれるから
可愛くなっておいで」

よく分からないけど
この女の人についていけばいいって事なのだろう。

店外へと出て
駐車場へ歩く。

「乗っていいよー」

「あ、はい・・」

可愛い車の助手席に乗ると
走り始めた。