ナンパ男との恋〜総集編〜
トロトロする私に
準備万端で待っている
美香の鋭い視線が突き刺さる。

ようやく準備を終えると

「ほら、行くよ」

靴を履いている私を後に
スタスタと歩き出す美香・・・

慌てて 後を追いかけ
隣に並んで、
美香の表情を見た時
何となく・・・・
急に
こんな事を言った理由が分かった気がした。

美香も・・・

強そうに見えて
私と同じなんだ・・・

不安で どうにかして
その不安を誤魔化したいのだろう・・・

私も、輝樹と付き合い始めの頃
ナンパ待ちに行って
その不安を考えないようにしてた。

毎回のように
いとこくんに邪魔されたり
輝樹に見つかったりした記憶があるけれど・・・


静まり返った住宅街を歩きながら

「いい男いるかな~?」

そう言いながらも
表情は どこかぎこちない美香・・・

「行っても大丈夫なの・・・?」

「んー?あぁ、翔ちゃんの事?」

「うん・・・」

「どうだろ・・・・
前は たしか、別れるとか言ってたけど」

あっけらかんと
答える美香に
私は 絶句してしまった・・・



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