ナンパ男との恋〜総集編〜
学校の門を出た所で
珍しく 輝樹から
電話がかかってきた。

「春菜?もう家?」

「ううん、今から帰る所だけど
どうかしたの?」

「今仕事終わったから、
帰りに
そっち回るわ。
どこら辺?」

「えっと・・・
さっき、学校出たとこ・・・」

「じゃ、そっち回るから
変な寄り道すんなよ?」

「あ、うん」

変な寄り道って
どんな寄り道なんだろう。

歩き続けて3分ほどで
姿は見えないけれど
輝樹の車の音が
少し遠くから聞こえた。

あ、来た。

と少し顔が緩んだのも束の間。


「佐々木さ~ん!」

背後から叫びながら
走ってくる人物・・・

あれは完全に緒方さん。

ものすごく嫌なタイミング・・・

緩んだ表情が
一気に 違う表情へと変わるのが自分で分かった・・・

「佐々木さん、一緒に帰ろう?」

息をきらせながら
言われると、すごく断りずらい・・


その時、
遠くから聞こえてた輝樹の車が 姿を見せた。

「緒方さん、ごめん。
彼氏が迎えにきたから
一緒に帰れないの」

歩道の隣に停まった輝樹の姿を見ながら
そう言うと

緒方さんは
私の横をすり抜け、輝樹の車の方へ走って行った。



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