ナンパ男との恋〜総集編〜

「さーてと、
次は　どこ行きたい？」

背伸びしながら
だるそうに　そう言うと
私の手を握り
立ち上がった。

手を握ったまま
映画館を後にし、
歩き始めた。

「なに　ニヤけたつらしてんだ？」

「え？私　ニヤけてる？
うそ！？」

いけない、いけない。

と、気をつけようとするけど
やっぱり、
うれしくて
顔は緩んでしまう・・・。

だって・・・
手繋いで歩くとか
何か、ほんとに
デートみたいで
いや、デートなんだけど・・・
普通の恋人みたいで・・・

あー・・・ダメだ。
私、完全に
舞い上がりすぎて
意味不明な事ばっか
考えすぎてる・・・

「どっか行きてぇとこ
ねぇのか？」

「どっか・・・
えっと・・」

出かけること自体
急だったのに
行きたい所が
ぱっと思い浮かぶはずもなく・・・

トロトロと
沈黙のまま
２人で歩き続ける。

急いで考えなくちゃ・・・

えっと・・・

行きたい所・・・

・・・えっと・・・・

・・・・・・