ナンパ男との恋〜総集編〜

ネオンで眩しいくらいの
繁華街を　少し抜けた所で
タクシーを降りると、
繁華街とは比べ物にならないほど
暗く、静かな通りだ。

「あっ・・・・
もしかして・・・
春菜　携帯・・・」

「携帯？」

「あー・・・しくじった。
私の番号じゃ
輝樹　とらないよねぇ・・
春菜の携帯
持ってくるべきだったわ・・
・・・まぁどうにかなるか」

そう　納得したように
歩き始めた。

「たしか、ここらへんのはずなんだけど・・・」

「輝樹のいる所・・？」

「そうそう、
その何とかって女といるらしいんだけどね。
ほら、さっき電話してもらった奴
さとるって言うんだけど
さとるが電話したら
輝樹が　スナックにいるから
出てくればって　さとるを誘ったらしいのよ。」

「スナック・・・？」

「そっ、スナック。」

「じゃあ・・・輝樹
心配するような事じゃなかったんだ・・」

胸を撫で下ろした瞬間
あかりさんが

「だぁから、その女といるんだってば。
私の話　ちゃんと聞いてる？」

「え？あ・・・で、でも
スナックなら　お客さんいるわけだし・・」

「違う違う、スナックって言っても
その女の母親の店ね？
ちなみに　今何時？」

「２時過ぎくらい・・」

「うん？たいていの店は
閉めてる時間なんだけどね？
私が帰ってきてるわけだから
分かるでしょ？」