ナンパ男との恋〜総集編〜

すると、あかりさんは
私の背中を
ズイっと　前へ押し出した。

「え？あ・・・
輝樹は　何してんの？」

「普通に飲んでるけど？」

「そっか・・・
えっと・・・友達って
その人の事だったの・・？」

「っあー・・・」

頭を抱えるように
黙り込む輝樹。

「そのまま
朝まで飲んで
仕事行くつもりだったの？」

「いや・・さすがに
朝まで飲むと
仕事行けねぇしな・・・」

「朝まで　どこで寝るつもりだったの？」

「寝るとこは
どこでもあるだろ。
健二の家も近くだしな」

「輝樹のアパートも近くだよ・・？」

「あぁ、そうだな・・・・」

隣の女性は
何も言わず
輝樹の顔を見て
うつむき、
ただ静かに
私達の会話を聞いている。

輝樹の周りにいる女性なら
こういう時
会話に割って入ってきたり、
宣戦布告をしたりするけれど
この女性は違う・・・

ただ、じっと
輝樹の顔を見て
何も言わず、
静かに落ち着いてる感じだ・・


・・・嫌な予感がする。