ナンパ男との恋〜総集編〜
「家具類は揃ってるから
それ以外の 春菜ちゃんの物を
ここに全部出して。
そしたら、俺
ダンボールに詰めていくし?」

動こうとしない私に

「心配しなくても
大丈夫だから。
輝樹と別れたら
俺が ちゃーんと
春菜ちゃん もらうしさ?
だから、ほら
時間ないんだから
早くする!」

・・・余計 意味わかんないし。


状況が いまいち飲み込めないまま
言われた通りに
服などの物を すべて出していくと
それを正樹くんが詰め込んで
玄関の所に
積み重ねていく。

・・・と言っても

私の物なんて

ダンボール4つ分しかないわけなんだけど・・・



「これで全部?」

「たぶん・・・」

「たぶんじゃなくて
ちゃんと確認して」

「あ、はい・・・」

クローゼットなど
部屋中を見渡し
少しだけ スペースの空いた空間を見ると よく分からない寂しさがある。

「よし、じゃ 行こうか」

「うん・・・」

「鍵は?」

部屋の鍵を正樹くんに渡すと
そのまま鍵を閉め
その鍵を正樹くんから受け取ろうと
私が手を伸ばそうとした時、

チャリーン・・・。

「え・・・え?」

ポスト部分から
鍵を部屋の中へ投げ入れた。

「ん?どうかした?」

「か、鍵が・・・」

「ん?もう必要ないでしょ?」

「・・・でも」

「あとは 輝樹の物だけだし
あいつが帰ってきた時
自分で処分するだろうしさ。
あっ、俺が
ちゃんと 春菜ちゃんが出て行った事伝えておくから心配ないしさ」

そういう問題じゃ・・・




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