ナンパ男との恋〜総集編〜

「何か飲む？」

獲物を狙うかのように
雄介くんが
私の隣へ近づいてくる。

「いえ・・・
持ってますから・・」

「お酒もあるよ？」

お酒が飲めないから
ジュース買ってるつーの！

「これで大丈夫なので・・」

「そか・・・」

さりげなく
座りなおすように
距離を離していくけど、

「ね、春菜ちゃんって
昔から思ってたんだけど
警戒心強いよね。」


また　ズイッと距離を詰めてくる　この男は
さすが・・・・
本性見え見えすぎて
あの頃の自分に　この男のどこが良かったんだと問いかけてみたくなるほどだ。


「まだナンパ待ちとかしてんの？」

「いえ・・・・」

「ふぅん。何か
春菜ちゃん　色気っての？
大人っぽくなったねー」

そう言いながら
私の髪に触れるその手に
嫌悪感が走り
思わず　立ち上がってしまった。

あやのさんが不思議そうに
私を見ながら

「佐々木さん？」

「あ・・・私、もう帰らなきゃ・・」

「え？でも・・・
まだ２時過ぎだよ？」

「あ、ほら
みんな心配するといけないし・・」

「じゃあ、私
ちょっと言ってくるよ」

と、そそくさと
あやのさんが
言いに行ってしまった・・・。