【BL】初恋いただきます。
愛してもらえる……
俺、ちゃんと愛してもらってる。
「涼、聞いてるか?俺はお前がいいんだ。お前だけを愛してる。」
愛してると何度も囁かれる。
その度に混乱していた頭が少しずつクリアになっていく。
「ぁ………要さん……?」
「ん?落ち着いたか?」
「……ごめん…なんか、ちょっと気が動転してて」
もぞもぞと被っていた布団から頭を出すと、目の前には要さんの顔。
視線を絡ませたあとは、優しく唇が触れ合った。
「どんなお前だって、愛してる。」
「は、恥ずかしいよ……」
「さっきまで愛してほしいって駄々捏ねてただろう?」
「………駄々は捏ねてないし……」
「へぇ、そんな口利くのか?」
「う………」
何も言い返せなくて押し黙る。
そしたら大きな手が頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
「わっ……ちょっ………」
「はは、そんな顔するな。まだ子供なんだ。大人に甘えるのなんて当たり前だろう?俺は嬉しいよ、お前が駄々捏ねてくれて。」
「だから駄々捏ねてないし………子供でもない……」
「そうか?じゃあ訂正だ。恋人に甘えるのなんて当たり前だ。」
なかなか頭の手は退けてもらえず、髪がぐしゃぐしゃになっていく。
「もう、要さん髪が絡まっちゃうよ!」
「ああ、悪い。つい撫で心地が良くてな。」
頭の上で動いていた手はその動きを止めて、今度は俺の顎を掴むと顔を上げさせられる。
要さんの真剣な眼差しが俺を見ていた。
「何があった?」
「……………………」
「約束、しただろう?」
包み隠さず報告する、要さんとの約束だ。
「………今日、勉強を見てもらうために高島の家に行ったんだ。そしたら、その……高島のお兄さんに会って………」
「………………」
「俺、あの人のこと知ってて………施設に居た頃会った人だった……。急に動揺しちゃって、昔のこと思い出した…。ごめん。」