【BL】初恋いただきます。
要さんは何も抵抗せず、俺に髪を拭かせた。
なんか子供みたいだな。
なんて思って、笑った。
そしたら要さんの手が俺の頬に伸びてきた。
「よく、笑うようになったな。」
昔を思い出していたのは、俺だけじゃなかったみたいだ。
「要さんのおかげだよ。感謝してる。」
「俺は別に何もしてねーよ。特別なことは何もな。」
髪を拭いていた俺の手を掴んで、要さんは俺をベッドに押し倒す。
やっぱり最初は触れるだけのキスから。
「ねぇ、要さん」
「ん?」
「あのさ……その、」
「何だよ?」
改めて言うのって恥ずかしいなぁ。
でもはっきりしときたいし。
こういう区切りのいい時に言っておかないと、またズルズルと曖昧になりそうだし。
「俺達って、えっと……一応、恋人ってやつなんだよね?」
言い終えて見上げた要さんは、呆けた顔をしていた。
「え……何その反応」
「……ふっ、くくく」
要さんは口元を手で覆って笑い始めた。
対して俺は要さんを睨む。