【BL】初恋いただきます。
「恋人……」
そこで俺は思った。
考えてみたら、これって…
俺の初恋じゃないか?
過去を思い出しても、人を好きになったことなんてない。
まぁ、そういう環境にいなかったし…。
「初恋………」
って口に出したら余計恥ずかしくなった。
お、乙女か俺は!
なんて考えてたら、目の前に黒い車が止まった。
要さんの車だ。
俺は車に向かって歩きだそうとしたんだけど、何故か要さんが車から降りてきた。
そしてずかずかと俺に歩み寄ってくる。
「要さん?」
要さんは俺の前で立ち止まり、ニヤリと笑った。
その刹那、
「――っ!?」
唇に感じる柔らかい感触。
こ、これって……キスされてるよな?
すぐに唇は解放されたものの、俺は固まったまま。