【BL】初恋いただきます。
「ずっと好きでした!!」
女学生は顔を真っ赤にしながら、けれど声は思ったよりもよく通るものだった。
女性からの告白。
普通なら喜ぶべき所だろうけど…
正直冷や汗をかいただけだった。
俺の視界にはすでに、冷ややかな表情をした要さんしか入っていなかったから。
「えっと…気持ちは嬉しいけど、俺好きな人居るから。ごめん。」
「そ、そうですか。そうですよね!いきなりごめんなさい!!」
顔を赤らめたまま、女学生は駆けて行ってしまった。
残された俺は怖くて要さんの顔が見れない。
要さんの近くに歩み寄ったものの、なんて切り出したらいいのか分からない。
「ああ…えっと、」
どうしたものかと歯切れ悪く呟くと、要さんは無言のまま車に乗り込んだ。
俺も慌てて中に乗り込む。
家に着くまでの車内は無言で、そして……
現在に至る。