【BL】初恋いただきます。
か、要さんが……二人?
「要が同居するなんて、どんな子だろうって思ってたけど……うん、想像してたより可愛い!!」
「は、はぁ……」
これは一体……?
困惑して要さんを見れば、額に手を当て、溜息を吐き出した。
「こいつは――」
「――初めまして、櫻井 凪(サクライ ナギ)、要の双子の兄です。」
か、要さんって双子だったのぉ!?
知らなかった……。
「あ、初めまして西條 涼です。」
慌てて頭を下げたら、凪さんは可愛い!とまた訳の分からない声を上げた。
「もういいだろ。さっさと帰れ…」
要さんは額を押さえたまま、凪さんを追い返そうと睨む。
「冷たいなぁ。ちょっとぐらい泊めてくれたっていいだろ。なぁ、涼くん?」
「え!?あ、はい…」
いきなりのことに、思わず頷いてしまった。
要さんを見れば、それはそれは嫌そうに顔をしかめた。
「ほーら!涼くんもこう言ってるし。お邪魔しまーす!!」
「おい、勝手に上がるな!」
要さんの制する声も聞かず、凪さんは中へと入っていく。
要さんは忌々しげに、舌打ちをした。
「えっと、……とりあえず俺着替えてくる。」
俺はなるべく要さんと目を合わせないように、自室へ引き返した。