【BL】初恋いただきます。
着替えてリビングへと戻れば、凪さんは我が物顔でソファーを陣取っていた。
その向かい側のソファーでは、不機嫌すぎる顔の要さん。
かなり怒ってるな、あれは……。
凪さんの方はそんなのお構いなしにソファーの座り心地を楽しんでいるようだった。
「凪さん、コーヒーと紅茶どちらがいいですか?」
「お、涼くん気がきくなぁ。コーヒーで」
凪さんはにこにこ笑いながら言う。
なんか要さんと同じ顔でにこにこされると、違和感が……。
「涼、コイツにそんなもん出さなくていい。」
「いいじゃんか。涼くんが出してくれるって言ってるんだから。ほんと、心狭いよなぁ。」
やれやれと凪さんは肩を竦めた。
要さん……怒りのあまり顔が引きつってるし。
喧嘩になりそうな雰囲気に堪えられず、俺は努めて明るく声を出した。
「コーヒー、淹れてくる!!要さんも飲むよね?」
要さんは舌打ちをして、そっぽを向いた。
俺は肯定と受け取ってキッチンへ。
マグカップ二つにホットコーヒーを淹れて、リビングに居る二人の前に差し出す。