【BL】初恋いただきます。
「ちょっと汗掻いたからシャワー浴びてくる。」
何かを言いかけた要さんを振り切って風呂場へと駆け込む。
リビングを通り過ぎたとき見た時計は、午前三時を示していた。
ぬるめのシャワーを頭から浴びる。
嫌な夢なんて忘れないと。
嫌な思い出なんて、消えてしまえばいいのに。
そっと目を閉じた。
嫌な風景ばかりが思い出されるのは夢のせいだ。
『――誰モ愛シテクレナイ』
それは暗示の言葉。
何度も何度も自分に言い聞かせた、呪いの言葉。
「…………誰も、愛してくれない。」
こんなにも染み着いてしまった言葉。