【BL】初恋いただきます。
わがまま男子の思いつき
『第六章 わがまま男子の思いつき』
――ばんっと音がして部屋のドアが勢いよく開く。
俺は眠い目を擦りながら、身体を起こす。
「――涼!」
「ふぁ~……んー…要さん?一体何――」
「デートに行くぞ。」
「……はい?」
ずかずかと要さんは近づいてきて、俺の手をグイッと引いた。
「い、今から!?」
「そうだ。早く準備しろ。」
「待ってよ!俺にも予定ってものが…」
「今日は学校もバイトもないだろう?俺以上に優先させたいものがあるのか?」
キスができるギリギリの距離で覗き込まれる。
「……分かったよ。」
諦めて言えば、ちゅっと唇が重なり、腕が解放された。
「車で待ってる。準備出来次第来いよ。」
にやっと笑って要さんは部屋を出ていった。
あの顔…ろくなこと考えてないんだろうな。
今日も俺は要さんに振り回されそうです。