【BL】初恋いただきます。
「……おい、アイツに何言われた?」
要さんが腕を組みながら、俺を睨む。
「……何も。」
別に隠す必要はないんだろうけど……
何となく言いづらい。
「隠すと為にならないぞ。さっさと白状しろ。」
「本当に何でもないよ。ただの世間話だったし。」
要さんは不服そうに俺を見る。
俺は要さんの目を見ずに、地面を見つめた。
数分間そのままで……
不意に頭に手が置かれた。
俺は顔を上げ、要さんを見る。
「何か傷つくような事を言われたのなら、必ず俺に言え。1人で抱え込もうとするな。いいな?」
顔は相変わらず不機嫌で、でもその声音はとても優しかった。
「うん。ありがとう、本当に何でもないから。」
「……わかった。お前がそういうなら信じる。」
要さんの手が頭から離れ、今度は俺の手を掴み歩き出す。
「え、要さん?どこ行くの?」
「観覧車、アイツと乗ったんだろ?だったら俺とも乗れ。」
「い、今から!?でももう閉園するよ…」
「少しぐらいなら平気だろ。ほら、早くしろ。」
半ば俺は引きずられるように、観覧車に乗せられたのだ。