【BL】初恋いただきます。
――三年前。
「今日からここがお前の家になる。」
そう言われ、見上げたのはいかにも高級感の溢れ出るマンション。
“俺がお前を愛す代わりに、お前も俺を愛すんだ。”
この言葉と共に俺は今日、櫻井 要という男に引き取られた。
第一印象は、はっきり言って変な人、だった。
「おい、聞いているのか?」
「……はい。ごめんなさい。」
そう謝ったら、この人は少し眉間に皺を寄せ、中へと入って行ってしまった。
とりあえず、俺もその背を追いかけ中へと入る。
エレベーターに乗って、押されたのは30の数字。
それ以上の数字はないから、このマンションの最上階ということになる。
エレベーターが止まり、無言のまま歩く背中を、俺も無言のまま追った。