【BL】初恋いただきます。
俺のバイトしているコンビニは、人通りの少ないためか混雑する事は少ない。
それが魅力でバイトしてるって言っても過言じゃない。
んだけど……
今目の前にはレジに並ぶ行列。
皆さん狙って合わせてきたんじゃないかってぐらい忙しい。
滅多にない光景に店長も慌ててるし。
まぁお陰で余計なこと考えずに済むんだけど。
23時上がりのはずが気付けば日付が変わっていた。
「西條くん、ごめんね。残業分ちゃんと付けとくから。」
「はい。気にしなくていいですよ。今日は仕方ないですから。」
申し訳なさそうな顔をする店長に見送られ、すっかり人気のなくなったコンビニの裏口から外に出た。
「遅い。」
「え……」
外に出た瞬間、俺を迎えたのは車に寄りかかっている要さんだった。
俺、働きすぎて幻見るようになったのかな?
「……なんでいるの?」
「随分な物言いだな。お前が何の連絡も入れず、時間になっても帰ってこないからだろ。」
そう言えば忙しくて連絡いれる暇もなかった。