【BL】初恋いただきます。
「ご、ごめん…」
「別に責めてる訳じゃない。お疲れ、忙しかったんだろう?」
そう尋ねながら、車に乗れと顎で合図され、助手席に乗り込んだ。
「うん。ここでバイトして初めてってぐらいの混み方だった。」
シートに体を預けると、どっと疲労感に襲われた。
思ったより疲れていたみたいだ。
「それは大変だったな。」
ぽんっと頭に置かれた手の心地よさに、眠気が襲ってくる。
「子供扱いしないでよ。」
と言いつつも手を払い除けられない。
「家まで寝てていいぞ。着いたら起こしてやる。」
「うん……」
そういえば最近考え事のせいで、ろくに寝れてなかったと朦朧とする意識の中で思い出した。
要さんの温もりを感じて、俺は瞼を閉じた。