【BL】初恋いただきます。
長い眠りから目を覚ますと、心地よい体温が隣にあった。
俺は浴室で気を失い、隣で寝ている要さんにここまで運ばれたのだろう。
体がだるい、、、。
起き上がるのをやめて、代わりに要さんの頬に触れた。
「こんなに近いのに……」
遠くに思ってしまうのは、どうしてだろう?
「……要さん、らしくないよ。」
徐に呟くと、頬を撫でていた手を掴まれた。
「何が?」
閉じていた目が開き、優しい笑みを向けられる。
「狸寝入り……」
「勝手に寝てると勘違いしていただけだろう?」
楽しそうに笑いながら抱き寄せられる。
「で?俺らしくないってのは何だ?」
「…………最近素直だから。」
「俺はいつだって素直だ。自分の欲望に忠実だからな。」
「……そうじゃなくて。どうして、前みたいに我が儘言わないの?」
要さんは少し驚いたように目を丸くして、でもすぐに意地の悪い笑みを見せた。
「それは我が儘を言ってくださいって事か?」
「違うって。真面目に話してるんだよ。」