輝く心は空の星
「絵梨…疲れてないか?」
「うん、大丈夫。逆にみんなから元気もらっちゃった」
「…ごめんな。みんなに話しちまって」
「…ううん。いつかはみんな知る事実だったんだし、このタイミングで言ってくれて助かったよ…ありがとう…玲」
そう言うと玲は微笑んだ。
「卒業式、明日だな」
「…うん」
「…実感あるか?」
「…ううん。全然ない。玲は…?今日カナリアの卒業式、どうだった…?」
「いつも通り騒がしく終わったよ…(笑)でも俺もまだ全然実感ない。まあ俺がカナリアに入ったのは一年の頃からだったからな」
「…玲はどうしてカナリアに行こうと思ったの…?」
「う〜ん、まあ一番はやっぱり学校以外で居場所が欲しかったからかな」
「…それも私と一緒だ…」
「まあ、あとは人数が少ないから」
「…そっかぁ」
玲は騒がしいところ苦手だもんね…
「……あっ!また一番星が見えるぞ!」
「……本当だぁ…」
空にはあのときと同じように一番星が輝いていた。
空は心の鏡なのかな…
「絵梨…俺は本当にお前と出会えてよかったと思ってる…いつも元気をもらってるよ…ありがとうな」
玲の言ったその言葉に、私はなるべく笑顔でゆっくり頷いた。