輝く心は空の星





絵梨side









……あれ…?…









私…どうしたんだろ…?









なんか…体がふわふわする…








…あっ…そういえば昨日の夜中急に息が苦しくなって意識が……
















……そっかぁ…私死んじゃったんだ…








…だからこんなにふわふわして…














「…絵梨っ!目を覚ましてお願いっ…」










…えっ…?この声は…お母さん…?










「星川絵梨さん、卒業おめでとう」










…この声は…秋元先生だぁ…










…私…まだ生きてるんだね…?










よかったぁ…










「……わ…たし…そ……つ…ぎょう…で……きた……ん…だ……」








声にならない声で必死で声を発し、頑張ってゆっくり目を開けてみた…








すると私の寝ているベッドの周りには、いっぱい知っている顔の人たちが…私を見て泣いていた…








……みんな何で泣いてるの…?








…今日は私の卒業式だよ…?









…お願い泣かないで…









…今日が最後になるくらい…ちゃんと分かってるから…








…最後くらい…みんなの笑顔を…









…見せてほしい…









「絵梨っ分かる…?」








お母さんが泣きながら笑顔で言った。








…もうっお母さんったら…泣くのか笑うのか喋るのかどれかにしてよ…(笑)








なんて自分の精一杯の力で笑えているのか分からないけど、笑った…








…するとみんなが…








「絵梨、卒業おめでとう」





「おめでとう」






「よく頑張ったな」






「高校生になってもよろしくね!」






それぞれお祝いしてくれた…







本当に嬉しくて…精一杯声を出した…







「…み…んな…あ…りが…と…う」









私がそう言うと…









お母さんやお父さん、翔太や桜や中学の先生、カナリアの先生たちやカナリアのみんなが…泣きながら微笑んでくれた…









…でももう…上手く息が出来なくなってきた…








私の主治医の先生が私の側に来て、それからみんなのほうを振り返って…一回静かに頷いたのが見えた…











……もう…最後だ…










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