私じゃ、ダメですか?
「大きな返事ありがとうっ
君、名前なんていうの?」
『平井遥香、1年2組です!!』
「ククッ
あ、もしかして莉緒ちゃんと同じクラス?」
『そ、そうですけど…なんで莉緒のこと…』
「だって、
サッカー部のマネージャーだもん!」
真っ白な歯を輝かせながら答える
目の前の王子さま。
なに、この眩しい笑顔…
一秒でも目を合わせると吸い込まれそう…
「あ、そろそろ戻らないと!
遥香ちゃん、またねっ」
ユニフォームを持った王子さまは、
手をヒラヒラとさせ小雨の中へと走り出した。
大きく頭を下げ、もう一度頭を上げたときには王子さまはいなかった。