イセイレ~乙女ゲームのモブに転生しました~
プロローグ
どうにかしなければ……。
真っ白な空間に、ひとりたたずむ青年は焦っていた。
真っ白なきめ細かな肌と絹のような艶のある金髪。コバルトブルーの瞳は、困惑と焦りを浮かべていた。
どうにかしなければ、最愛の少女を失う。
「クソッ……勝手なまねをしやがって……」
強く握られる手は、手が白くなるほど握りこまれている。