キズナ
「麻里香、何かいい事あった?」
萌乃に顔をのぞきこまれ、私ははっとなった。
下校中だったけれど、雪菜たちに誘われたことが嬉しくてつい顔に出てしまっていたようだ。
「…うん。私、新しいクラスで早速友達できたんだ!」
そう言うと、萌乃は顔を曇らせた。
「萌乃…?」
「あっ、いや…よかったね!……でも、麻里香がそっちの子とばっかり仲良くして私から離れていったらさみしいなって…」
え……。
「離れていったりしないよ!萌乃は大切な親友だもん」
にっこりと笑って見せると、萌乃は安心したのか胸を撫で下ろした。
「そうだよね、よかった……」
昔からの友達…新しい友達…。
みんな大切な存在だ。
これからも、皆と一緒ならきっと楽しくやっていける…。