キズナ
日曜日。
私は、腕時計をチラチラ見ながらショッピングモールで皆を待っていた。
早く来すぎたかな…。
「ごめーんっ!待った?」
雪菜たちだ。
「ううん、大丈夫だよっ」
振り返って、私は目を見開いた。
「ん?どうしたの?」
「みんな…服すごい可愛いね…」
沢山のフリルがついていて、お姫様みたいだ。
「ああ、これ?ラブジェリーで買ったの。お気に入りなんだ!」
「ラブジェリー!?」
ラブジェリーって、超高級ブランドじゃん!!
可愛い服が沢山あったけれど、とても私のお小遣いで買えるような金額ではなかった。
そんなセレブが行くような店で服を買えるような子たちが、なんで私たちと同じ公立に通っているんだろう。
「じゃあ、行こっか」
奈津子が髪をなびかせて、皆の先頭に立って歩く。
皆もそれに続く。
私には、高級ブランドの服を着こなしている皆の後ろ姿が輝いて見えた。
それに比べて私は、その辺のセールで買ったダサい服。
引け目を感じてしまう…。
私は唇を噛み締めた。