キズナ
「おはよう、萌乃!」
私が声をかけると、萌乃はふりかえりニコッと笑った。
「おはよ〜」
萌乃とは昔から仲がいい。
ケンカをしたことも何度かあるけれど、次の日には仲直りしていた。
優しくてオシャレで、私の自慢の心友だ。
「あっ、そうだ。麻里香に渡したい物があるの!」
そう言って萌乃は、スクバの中から小さな袋を取り出した。
何だろう…?
「コレっ!」
萌乃が袋から出したものは、ストラップだった。
クマのマスコットが、「友」と書かれたハートの右半分を持っている。
可愛いけど、なんでハートが半分に切れてるんだろ…?
「で、私のはコレ」
萌乃は袋からもう一つストラップを出した。
ウサギのマスコットが、「心」と書かれたハートの左半分を持っている。
…ああ、なるほどね。
「これ、二つで一つなんだね」
「そう!二つ合わせれば〝心友〟」
萌乃は、二つのストラップのハートをくっつけて見せた。
マグネットがついているみたい。
「二人の友情の証だよ。これがあればきっと、ずっと心友でいられるよ!」
「うんっ!!」
二人で顔を見合わせて笑った。