キズナ

「あっちでクラス名簿配ってるよ!もらいに行こう」

「うん」

……新しいクラス。

どうか、みんなと同じクラスになれますように。

そう祈りながら、私は係の人からクラス名簿の紙を受け取った。

中学校は小学校と違ってクラスが多い。

だから仲がいい子と同じクラスになれる確率は低いけれど…。

私は自分の名前を見つけると、萌乃、そして香織たちの名前を探した。

でも、私のクラスの所にみんなの名前はなかった。

「うそーっ!私だけ四組!?」

私はもう、泣きそうになっていた。

仲良しの友達が一人もいないなんて…私、新しいクラスでやっていけるかなぁ…?

「あ…クラス離れちゃった…ね…」

萌乃も暗い声で呟いた。

「でも、大丈夫!!私たちは、違うクラスになったって心友だよ!!あのストラップもあるし!」

「………」

「……約束しよう。この先、何があっても心友でいるって」

萌乃は小指を出した。

「…うん」

「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます!指切った」

そうだよ、大丈夫。

萌乃は心友なんだから。

どこにいても心が通じ合う、心友なんだから。


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