闇龍~最強の女~
──チーン

扉が開いてすぐに、

斎「お、きたきた!」

斎さんの、楽しそうな顔…

爽「なにやってんだよ、クソ親父!」

斎「楽しかったでしょ?」

爽「たのしかねーよ!

  どんだけ走り回ったと…」

斎「あはははは」

爽「…殴られたいか?」

斎さん…ほんとにこの人は…

恵「ほんと、勘弁してください、理事長」

斎「まーまー、おもしろかったよ?」

綺「理事長くらいですよ、楽しんでたの…」

いろんな意味で疲れたな…

とりあえず、楽しくはなかった。うん。

斎「ま、逃げ切ったみたいだし、

  コンテストとー、鬼ごっこの分、

  ごほーびあげるー♪」

成績はきっちりあげとくから、と言って、

斎さんは微笑んだ。

斎「んでー、コンテストのごほーびは…

  このあとすぐ夏休みじゃん?

  それあけてすぐにテストあんだけど、

  それ、なしってことで♪

  みんな、成績いいし♪」

…じゃあ、成績のごほーびいらねーじゃん…

斎「でー、鬼ごっこのごほーびは…

  旅行!」

爽「りょ、旅行?」

恵「この4人でですか?」

斎「そーそー!

  夏休みの間にいっといでー♪

  ちなみに、

  ここから少し離れた海の近くに

  ホテル予約してるから」

ご褒美にしちゃ、近くないか?

爽「んなとこ、バイクでいけんじゃん」

斎「でも、きれいなとこだよ?

  二泊三日だから☆」

恵「まぁ、楽しそうじゃないですか」

綺「海かぁ…いいね!」

『……海…』

海は、俺の両親が出会った場所なんだ。

俺の名前も、そこからつけられたらしい。

だから俺も、海は好きだ。

斎「楽しんでおいで。

  きっと気に入るところだから。

  ボソッ…特に美海はね」

『?』

斎「なんでもないよ。

  さ、文化祭も残りわずかだ。

  少し回ってきたら?」

爽「フッだな。いくか」

『ああ』

恵「どこいきます?」

綺「クレープ食べたい!」

──パタン

< 117 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop