闇龍~最強の女~
…ってあれ?

いつのまにか

美「スー…スー…」

美海は寝てたみたいだ。

…フッ。かわいいな。

綺「…美海はね」

綺羅が話し始めた。

綺「私以外の人を信じようとしなかった。

  今は斎さんとか、2人がいるけど。

  ずっと…かたくなに、他人を拒んだ」

綺羅は少し、悲しそうな顔をしていた。

綺「そりゃそーだよね。

  小さい頃から、化け物呼ばわり。

  私のような人なんていなくて。

  大好きだった両親もいなくなって。

  この子は言わないけど…」

綺羅の目が、何かに耐えるように

そっと伏せられた。

綺「寂しかったんだと思う」

俺は美海をそっと抱きしめなおした。

…なにかを伝えたくて。

綺「この子は強くなろうとした。

  自分しか、

  自分を守る人がいなかったから。

  それに…

  美海みたいに苦しんでいる人を

  助けられるように」

綺羅はそっと微笑んだ。

綺「…優しい子だから。

  誰にも頼ろうとしないの。

  自分1人を常に犠牲にする。

  だから、ほっとけないのかもね」

綺羅の目は、優しく美海を見つめている。



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